非言語・言語の解き方
SPI形式 速度算の解き方|旅人・通過・流水のコツ
速度算は「みはじ」の関係と線分図が土台。旅人・通過・流水の型を覚え、単位をそろえて解けば安定する。
結論から言うと、SPI形式の速度算は「速さ・距離・時間の関係(いわゆる『みはじ』)を式で正しく扱う」「線分図で状況を可視化する」「式を立てる前に単位をそろえる」の3点を押さえれば、ほとんどの問題が同じ型で解けます。速度算には大きく旅人算・通過算・流水算の3パターンがありますが、いずれも基本は『距離 = 速さ × 時間』という一本の関係式の応用にすぎません。本記事では基本関係の確認から、3つの出題パターンの違い、線分図を使う解法ステップ、オリジナル例題と検算、単位変換でのミス防止までを順に整理します。なお、出題範囲・配点・電卓の可否・制限時間は受検方式(テストセンター/WEBテスティング/ペーパー等)や企業・年度で変わるため、本記事の時間の目安は一般的な傾向として捉えてください。
速さ・距離・時間の基本関係
みはじの三角と3パターンの関係
速度算のすべての土台は、次の1つの関係式です。『距離 = 速さ × 時間』。この式を変形すると、求めたいものに応じて3つの形に書き換えられます。どれか1つだけ覚えるのではなく、『2つが分かれば残り1つが求まる』と理解しておくのがコツです。
| 求めるもの | 公式 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 距離 | 距離 = 速さ × 時間 | 進んだ量。線分図の長さに対応 |
| 速さ | 速さ = 距離 ÷ 時間 | 1単位時間あたりに進む量 |
| 時間 | 時間 = 距離 ÷ 速さ | かかった時間。割り算の向きに注意 |
出題パターンは3つ(旅人算・通過算・流水算)
速度算は、登場する『動くもの』の関係によって主に3パターンに分かれます。違いは『速さをどう合成するか』だけで、基本式は共通です。下表で型の違いを整理しておきましょう。
| パターン | 典型シーン | 速さの扱い方のカギ |
|---|---|---|
| 旅人算 | 2人が出会う/追いつく | 出会い=速さの和、追いつき=速さの差 |
| 通過算 | 電車がトンネル・鉄橋を通る | 進む距離に『電車自身の長さ』を足す |
| 流水算 | 船が川を上り下りする | 下り=静水時+流速、上り=静水時−流速 |
旅人算:和か差かを見分ける
2人が向かい合って進み『出会う』場合は、2人の速さの和で距離が縮まります。同じ向きに進み『追いつく』場合は、速さの差で差が縮まります。『出会い=和、追いつき=差』とセットで覚えておくと判断が速くなります。
通過算:電車の長さを忘れない
通過算の最大の注意点は、電車が完全に通り抜けるまでに進む距離です。鉄橋やトンネルを『渡り終える』には、対象物の長さに加えて電車自身の長さの分だけ余分に進む必要があります。つまり『進む距離 = 対象物の長さ + 電車の長さ』です。電柱のように長さを無視できる対象を通過する場合は、進む距離=電車の長さになります。
流水算:下りと上りで速さが変わる
川を進む船は、流れの影響を受けます。流れと同じ向き(下り)では速くなり、逆向き(上り)では遅くなります。『下りの速さ = 静水時の速さ + 流速』『上りの速さ = 静水時の速さ − 流速』です。逆算で、静水時の速さ=(下り+上り)÷2、流速=(下り−上り)÷2 も頻出です。
解法ステップ(線分図の描き方)
速度算でミスを減らす最大のコツは、頭の中だけで処理せず線分図に状況を描くことです。誰がどこからどちらへ進むか、出会い・追いつきの位置はどこかを図にすれば、立てるべき式が自然に見えてきます。次の手順で進めましょう。
線分図を使った速度算の解法ステップ
- 1
単位をそろえる
式を立てる前に、km と m、時間と分・秒を統一します。ここを最初にやるだけで単位ミスの大半を防げます。
- 2
線分図に位置と向きを描く
横線を1本引き、出発点・進む向き(矢印)・距離を書き込みます。旅人算なら2人の矢印を、通過算なら対象物と電車の長さを図示します。
- 3
速さを合成する
出会い=和、追いつき=差、下り=和、上り=差というパターンに当てはめ、使う速さを決めます。
- 4
基本式に当てはめる
『距離 = 速さ × 時間』に、図から読み取った値を代入して方程式を立てます。
- 5
計算して検算する
求めた値を図に戻し、距離や時間が現実的か、単位が問われた形と一致しているかを確認します。
オリジナル例題と解説
ここまでの型を、実際の数値で確認しましょう。いずれもオリジナルの数値で作成し、割り切れる素直な設定にしています。解説の計算を自分の手でもなぞってみてください。
オリジナル例題
1800m離れた地点に、AさんとBさんが向かい合って立っている。Aさんは分速70m、Bさんは分速50mで同時に相手へ向かって歩き出した。2人が出会うのは出発してから何分後か。
- A. 12分後
- B. 15分後
- C. 18分後
- D. 20分後
答えと解説を見る
答え: 15分後
向かい合って進み『出会う』ので、2人の速さの和で距離が縮まる。和の速さ = 70 + 50 = 120(m/分)。出会うまでに2人で合計1800m進めばよいので、時間 = 距離 ÷ 速さ = 1800 ÷ 120 = 15(分)。検算: 15分でAは70×15=1050m、Bは50×15=750m進み、合計1050+750=1800mで一致する。
オリジナル例題
長さ120mの電車が、秒速20mで一定の速さで走っている。この電車が長さ480mの鉄橋を渡り始めてから渡り終えるまでに何秒かかるか。
- A. 24秒
- B. 30秒
- C. 36秒
- D. 40秒
答えと解説を見る
答え: 30秒
鉄橋を『渡り終える』には、鉄橋の長さに加えて電車自身の長さの分だけ進む必要がある。進む距離 = 鉄橋480m + 電車120m = 600m。時間 = 距離 ÷ 速さ = 600 ÷ 20 = 30(秒)。検算: 30秒で電車は20×30=600m進み、これは鉄橋480m+電車120mと一致する。
オリジナル例題
ある船が川に沿って24kmを下るのに2時間、同じ24kmを上るのに3時間かかった。この川の流れの速さ(流速)は時速何kmか。
- A. 時速2km
- B. 時速3km
- C. 時速4km
- D. 時速5km
答えと解説を見る
答え: 時速2km
下りの速さ = 24 ÷ 2 = 12(km/時)、上りの速さ = 24 ÷ 3 = 8(km/時)。下り=静水時+流速、上り=静水時−流速なので、流速 = (下り − 上り) ÷ 2 = (12 − 8) ÷ 2 = 2(km/時)。検算: 静水時の速さ=(12+8)÷2=10km/時。下り=10+2=12、上り=10−2=8で問題文と一致する。
単位変換でのミス防止
速度算で最も多い失点が、単位の取り違えです。問題文の単位と、答えで求められている単位がズレていないかを常に意識しましょう。よく使う換算と、つまずきポイントを整理します。
- 距離: 1km = 1000m。km と m が混在したら、式を立てる前にどちらかへそろえる。
- 時間: 1時間 = 60分 = 3600秒。『分速』と『時速』、『秒速』が混ざる問題は要注意。
- 時速→分速: ÷60。例えば時速60kmは分速1km(=1000m)。
- 分速→秒速: ÷60。求められている単位で答えているか最後に確認する。
- 通過算の落とし穴: 進む距離に電車自身の長さを足し忘れない。電柱(長さ無視)と鉄橋(長さあり)で扱いが変わる。
- 流水算の落とし穴: 下りと上りで速さが違うことを忘れ、同じ速さで計算してしまわない。
ミニFAQ
短時間で疑問を解消できるよう、よくある質問を結論先出しでまとめました。詳細は各パターンの解説も参照してください。
よくある質問
- 速度算の旅人算で、速さの和と差はどう使い分けますか?
- 『出会い=和、追いつき=差』が基本です。2人が向かい合って進み出会う場合は速さの和で距離が縮まるので和を使います。同じ向きに進んで一方が他方に追いつく場合は速さの差で差が縮まるので差を使います。線分図に向きの矢印を描くと、和か差かを迷わず判断できます。
- 通過算で『電車の長さを足す』のはなぜですか?
- 電車が鉄橋やトンネルを完全に渡り終えるには、対象物の長さに加えて電車自身の長さの分だけ余分に進む必要があるからです。先頭が入り口に着いてから最後尾が出口を抜けるまでが『通過』なので、進む距離=対象物の長さ+電車の長さになります。ただし電柱のように長さを無視できる対象では、進む距離=電車の長さです。
- 流水算で静水時の速さと流速はどう求めますか?
- 下りの速さ=静水時の速さ+流速、上りの速さ=静水時の速さ−流速という関係から逆算します。静水時の速さ=(下り+上り)÷2、流速=(下り−上り)÷2 です。まず同じ距離を下る時間と上る時間からそれぞれの速さを出し、この2式に当てはめると静水時の速さと流速の両方が求まります。
- 速度算は電卓を使えますか?また1問あたりの目安時間は?
- 電卓の可否は受検方式(テストセンター/WEBテスティング/ペーパー等)や企業・年度で変わるため断定できません。割り切れる素直な数値が多いので、暗算・筆算でも解ける練習をしておくと安心です。1問あたりの目安は型が分かっていれば1分前後が一つの基準ですが、制限時間や問題数は方式により異なります。実際の感覚は模擬受検で確かめるのが確実です。
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