非言語・言語の解き方
SPI形式 損益算の例題と公式|原価・定価・利益
損益算は「原価・定価・売価・利益」の関係を式にできれば得点源にしやすい単元です。
結論から言うと、損益算は「原価・定価・売価・利益」の4つの用語と、それらを結ぶ基本公式さえ整理できれば、得点源にしやすい単元です。複雑に見えても、やっていることは『仕入れ値に何%上乗せして値段をつけ、そこから何%値引きして売る』という掛け算の連続にすぎません。この記事では、用語の整理から基本公式、値引き・割引込みのオリジナル例題、解法ステップと検算のコツ、ひっかけパターンまでを、SPI形式の非言語対策として順番に解説します。
損益算とは:原価・定価・売価・利益の用語整理
損益算とは、商品の仕入れから販売までの『お金の増減』を計算する問題です。まずは4つの基本用語の意味を正確にそろえておくことが、ミスを減らす第一歩になります。
| 用語 | 意味 | 別の呼び方 |
|---|---|---|
| 原価 | 商品を仕入れた値段。計算の出発点になる金額 | 仕入れ値・コスト |
| 定価 | 原価に利益分を上乗せして最初につける値段 | 希望小売価格 |
| 売価 | 実際にお客さんに売った値段。値引きがあれば定価より下がる | 売値・販売価格 |
| 利益 | 売価から原価を引いた、最終的に手元に残る金額 | もうけ・粗利 |
損益算の基本公式と関係図
原価→定価→売価→利益の流れ図
損益算で使う式は、次の3本に集約できます。この3本を『原価→定価→売価→利益』の流れとして覚えると、応用問題でも順番に当てはめるだけで解けます。
| 求めるもの | 公式 | ポイント |
|---|---|---|
| 定価 | 定価 = 原価 ×(1 + 利益率) | 『2割増』なら ×1.2、『25%増』なら ×1.25 |
| 売価(値引き後) | 売価 = 定価 ×(1 − 値引き率) | 『1割引』なら ×0.9、『15%引き』なら ×0.85 |
| 利益 | 利益 = 売価 − 原価 | ここがプラスなら黒字、マイナスなら赤字(損失) |
関係を一本の流れにすると次のようになります。『原価』に(1+利益率)を掛けて『定価』を出し、『定価』に(1−値引き率)を掛けて『売価』を出し、『売価』から『原価』を引いて『利益』を求める——この一方向の流れを頭に入れておけば、どの値を聞かれても逆算で対応できます。
割合の言い換えに注意
- 『◯割』=『◯×10%』。2割増=20%増=×1.2
- 『増し』は1に足す、『引き』は1から引く
- 百分率は小数に直す(30%→0.3)と計算が速い
- 『◯%の利益を見込んで定価をつける』は『定価 = 原価×(1+◯%)』のこと
オリジナル例題(値引き・割引込み)
実際に基本公式を当てはめて解いてみましょう。いずれもオリジナルの数値で、流れを追えば素直に解ける設定にしています。
オリジナル例題
ある商品を1個800円で仕入れ、原価の25%の利益を見込んで定価をつけた。しかし売れ行きが悪かったため、定価の1割引で売った。このとき1個あたりの利益はいくらか。
- A. 80円
- B. 100円
- C. 120円
- D. 200円
答えと解説を見る
答え: 100円
まず定価を求めます。定価 = 原価×(1+0.25) = 800×1.25 = 1000円。次に売価を求めます。1割引なので 売価 = 1000×(1−0.1) = 1000×0.9 = 900円。最後に利益を出します。利益 = 売価 − 原価 = 900 − 800 = 100円。値引きしても原価を上回っているので黒字です。
オリジナル例題
ある商品を1個2000円で仕入れ、原価の4割増を定価とした。セールで定価の2割引で売ったとき、原価に対する利益率は何%か。
- A. 8%
- B. 12%
- C. 16%
- D. 20%
答えと解説を見る
答え: 12%
定価 = 原価×(1+0.4) = 2000×1.4 = 2800円。2割引の売価 = 2800×(1−0.2) = 2800×0.8 = 2240円。利益 = 2240 − 2000 = 240円。原価に対する利益率 = 利益 ÷ 原価 = 240 ÷ 2000 = 0.12 = 12%。『4割上乗せして2割引いたから差し引き2割の利益』と早合点しないことがポイントです(後述のひっかけ参照)。
解法ステップと検算のコツ
損益算は『流れの順番どおりに式を立てる』ことで安定して解けます。以下の手順を毎回なぞる習慣をつけると、複雑な設定でも崩れにくくなります。
損益算を解く5ステップ
- 1
原価を起点に置く
問題文で与えられた仕入れ値(原価)を出発点にします。原価が未知なら『原価をx円』と置きます。
- 2
定価を計算する
『原価×(1+利益率)』で定価を求めます。『◯割増・◯%増』はすべて(1+割合)に直します。
- 3
売価を計算する
『定価×(1−値引き率)』で実際の売価を求めます。値引きがなければ売価=定価です。
- 4
利益を求める
『売価−原価』で利益を出します。問われているのが金額か率かを設問で確認します。
- 5
逆向きに検算する
求めた利益を原価に足して売価に戻る、売価を値引き率で割って定価に戻る——と逆算し、最初の数値と一致するか確かめます。
ひっかけパターンと注意点
損益算で失点しやすいのは、計算そのものより『割合の基準』と『言葉の読み違い』です。代表的なひっかけを押さえておきましょう。
| パターン | 誤りやすい考え方 | 正しい考え方 |
|---|---|---|
| 増し分と引き分の相殺 | 『4割増→2割引だから差し引き2割の利益』とする | 掛け算で計算する。1.4×0.8=1.12なので利益は12%(20%ではない) |
| 利益率の基準ずれ | 値引き後の売価を基準に利益率を出す | 問題文の基準(多くは原価)に対して計算する |
| 定価と売価の混同 | 値引き後でも定価のまま利益を計算する | 実際に売れた値段(売価)から原価を引く |
| 損失(赤字)の符号 | 売価が原価を下回っても利益として処理する | 売価−原価がマイナスなら損失。設問の問い方を確認する |
ミニFAQ
損益算でよくある疑問を結論先出しでまとめました。
計算と基準について
利益率の基準は問題文で指定された金額(多くは原価)に合わせます。基準を取り違えると正しく計算しても答えがずれるため、最初に基準を確認する習慣をつけましょう。
よくある質問
- 損益算の基本公式は何ですか?
- 次の3本が基本です。(1)定価=原価×(1+利益率)、(2)売価=定価×(1−値引き率)、(3)利益=売価−原価。『原価→定価→売価→利益』の一方向の流れとして覚えると、どの値を問われても順番に当てはめるか逆算するだけで解けます。
- 『4割増して2割引いた』ら利益は2割になりますか?
- なりません。増しと引きは足し引きではなく掛け算で効きます。原価2000円なら定価=2000×1.4=2800円、売価=2800×0.8=2240円で、利益は240円、原価に対して12%です。1.4×0.8=1.12と計算するのが正しい考え方です。
- 利益率はどの金額を基準に計算しますか?
- 問題文で指定された基準に合わせます。SPI形式では原価を基準にする問題が多い傾向ですが、設問によって異なる場合もあります。『原価に対して』『定価の◯割増』などの記述を最初に確認し、基準を取り違えないことが失点を防ぐコツです。
- 損益算で電卓は使えますか?
- 電卓の可否は受検方式・年度・企業によって変動するため断定はできません。割り切れる素直な数値で暗算・筆算でも解けるよう練習しておくと、どの方式でも対応しやすくなります。
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